Nohana Izumikawa
2014
「スイムイ」
パネル キャンバス 油彩 アクリル 木炭
300cm × 600cm
2014
故郷について尋ねられたとき、適切な言葉が思い浮かばない。
青い海、白い砂浜、一度は訪れたい南国の楽園…
人々の間で共有されているイメージで沖縄が語られる時、
私はピントのずれた映像を見続けているような錯覚に陥る。
作品のモデルになった場所は過去聖地であったが、
現代では観光地化され、畏れより親しみを感じやすい場所となっている。
何気なく目にする植物も南国らしさを演出するため、元々外来種であることも多い。
沖縄の土地を知らない人が見れば南国調の印象を与え、
また自身にとって、植物や描かれた風景から喚起される感覚としての「沖縄」を描いた。
東北での暮らしが無ければ浮かぶこともなかったであろう「沖縄とは何か」という疑問に対峙し制作した、学部卒業制作作品。
夾竹桃という植物は、沖縄では米軍基地を取り囲むフェンス添いに植栽されている植物として知られている。
作品の画面に軍や兵器といった直接的なモチーフが登場するのではなく、暗喩として夾竹桃を登場させる。
それは生まれた時から基地がある世代にとって、非日常が日常化した風景を意味する。
そして沖縄の中でこれまで醸成されたイデオロギーを自らの意思で獲得したわけではなく、与えられたものとして享受した結果、実際に起きている諸問題の根本的な構造を理解することなく、曖昧なまま留まり続けてしまった私が見ている風景でもある。
「夾竹桃」
キャンバス アクリル 鉛筆 色鉛筆 パステル
130.3cm × 89.4cm
2014
ドローイング
紙に鉛筆 色鉛筆
2014
「Fence」
キャンバス ジェッソ 胡粉ジェッソ アクリル 鉛筆
色鉛筆 パステル
233.5cm × 233.5cm
2014
沖縄での生活の中で出会ったシャーマン(ユタ) と、その存在を取り巻くもの。 霊的な力をもつ人々は神秘的な存在であるとともに 実社会と信仰の狭間で揺れ動く存在にも見える。 聖と俗、狂気と正気、様々な境界を行き来しながら 生きている彼女らを、島全体に吹き荒れる海からの 風(カジ)とともに表現した。
「風(カジ)」
キャンバス モデリングペースト アクリル 鉛筆 パステル
162cm × 130cm
2014
「ホウセンカ」
18cm × 14cm
パネル アクリル 鉛筆 色鉛筆
2014
個人蔵
「Non title」
パネル 綿布 アクリル 鉛筆 色鉛筆
22.7cm × 22.7cm
2014
個人蔵
「働く人-ホウオウボク柄のかりゆしウェア-」
パネル アクリル モデリングペースト 鉛筆
45.5cm × 33.1cm
2014